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Vol.6 (1985/7[065])

<外国情報>
髄膜炎菌性髄膜炎の流行−インドのデリーおよびネパールのカトマンズ渓谷


1985年1月にデリーにおいて髄膜炎菌性髄膜炎の小流行がおこった。1985年3月末までに約2000症例が発生,死亡率は10%以下であった。これら症例は大部分が社会経済的に低い階層で,発生は拡散的で市街の特別な地域に集中することはなかった。症例の大多数は5歳から25歳までの年齢層で,9%は4歳以下であった。流行は5月中旬に頂点に達し,その後減少しつつある。死亡率も4%以下に低下した。政府は保健教育と直接接触者の化学療法予防に力を注いでいる。インド医学研究協議会は保菌者の比率を調査しつつあり,危険性の高い集団にはA−Cワクチンが供給されている。菌株はすべてスルホンアミドとペニシリンに感受性であった。

ネパールではカトマンズ渓谷に化膿性髄膜炎が常在しているように思われる。1974年以来報告があり,1982年に小流行が,1983年と1984年の11月と12月中旬に著しく高い発生ピークを示した。1984年の10月中旬から11月中旬にかけては髄膜炎の症例が15あり,12月には38に増加した。1985年1月,2月にピークに達したように思われる。A群髄膜炎菌が分離された。多くがスルホンアミド耐性であったが全菌株ともペニシリンには感受性であった。

(WHO,WER,60,No.16,1985)






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