Vol.8 (1987/1[083])
5歳以下の子供82人収容の託児所でA型肝炎が流行し,内部で14例,所外接触者22例が罹患し,少なくとも5疑似例がみられた。7例が血清学的に確認された。免疫グロブリンが第2例発症後,同室の子供たちに,さらに全施設に広がるにおよんで全員に投与された。2人が投与後6日と9日に発症した。 A型肝炎は臨床的には重症でないかもしれないが,アンケート調査したところ,家族の金銭的および社会的負担が非常に大きいことがわかった。託児所で2例以上の発症の場合,また衛生状態の悪い環境では初発でも,免疫グロブリン投与を行うべきである。 (CDR,86/41,1986) 図