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1986年6月,オハイオ州コロンバスから2例のカメに関係したサルモネラ症が報告された。2歳および4歳の兄弟がペット店から一匹の愛玩用カメ(Trachemys scripta elegans)を買って4日後に,発熱,腹痛,および血便を伴って発病した。
2人の糞便およびカメとその飼育容器の水からS. typhimuriumが分離され,分離株はすべて同じプラスミドプロファイルを示した。カメの送り状には科学的目的に限って使用するよう指示されていた。
1970年代初めにはペットカメはヒトサルモネラ症の原因の14%を占めたので,1975年に4インチ以下のカメの科学,教育,展示以外の使用が禁止された。それ以後,カメ由来サルモネラ症は減少したが,米国から輸出したカメによるサルモネラ症が英国,日本,その他外国で発生している。
カメはたやすくサルモネラに感染する。卵のゲンタマイシン処置法が提案されたが効果はたしかめられていない。耐性菌を生ずるおそれがあろうし,生まれた子ガメはたやすく環境から感染する。カメはカンピロバクター,エロモナス,その他病原体のキャリアともなるので,子供のペットとしては適さない。
(CDC,MMWR,Vol.35,47,1986)
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