1986年に，ペニシリナーゼ産生リン菌（ＰＰＮＧ）感染16，608例がＣＤＣに報告された。これは全リン病報告の1.8％にあたり，1985年より90％増加，1984年の４倍である。64％は以前から流行密度が高いフロリダ，ニューヨーク市およびロサンゼルスでおこっている。ニューヨーク市は抗ＰＰＮＧ抗菌剤で治療しているにもかかわらず，最も増加した。全リン病中，ＰＰＮＧは4.3％であった。フロリダでは全国総数の34％にあたる5,629例が報告され，最も浸淫度が高いデイド郡では2,648例（前年より８％増加）で，ＰＰＮＧ感染はリン病総数の22％である。デイド郡以外の例は前年より74％増加した。ロサンゼルスでは942例で，これは前年の93％増加である。おそらく２次拡散とみられるもうひとつのＰＰＮＧ流行中心がオレンジ郡で同定されている。

　ＰＰＮＧはフリーだった地域に拡大している。浸淫地や売春婦との接触が導入の要因であるが，一度導入されると撲滅は困難で，感受性菌と同様に流行する。不適切な治療は危険で，特に女性は骨盤炎の原因となる。ＰＰＮＧにはCeftriaxoneまたはSpectinomycinが有効である。

（ＣＤＣ，ＭＭＷＲ，36，�ｂW，1987）