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Vol.8 (1987/10[092])

<外国情報>
ソンネ赤痢菌胃腸炎の広域流行−米国


 宗教的集団の赤痢発生が数州で報告された。発生は1986年11月から1987年6月にわたり,最大の流行はニューヨーク市で,他の州での流行は多くの人々がニューヨークの親類を訪問した4月の「過ぎ越しの祝い」休日の直後に始まった。疫学資料は不完全であるが,新しい発生がまだ続いている。

 ニューヨーク州:12月27日〜5月16日,ニューヨーク市ブルックリンで1,328例のソンネ赤痢菌が培養で確認された。ニューヨーク市以外では,11月29日〜2月20日にオレンジ郡の1ユダヤ共同体で約110例の培養確認例が報告された。11月22日からロックランド郡に260以上の培養確認例が出た。この流行は継続中で,6月初旬,あるパーティーで130人中100人(77%)が罹患している。

 ニュージャージー州:1987年5月2日〜6月3日に発熱性胃腸炎45例が北東ニュージャージー私立ヘブライ学校で発生し,児童の30%が罹患,半数は血性下痢をおこし,1人はけいれん発作で入院した。糞便検体33からソンネ赤痢菌を分離。多くの学童は週末にブルックリンに行っていた。

 オハイオ州:オハイオ州のユダヤ正教学校で5例のソンネ赤痢菌感染症が確認された。初発学生は「過ぎ越しの祝い」休日の1週間後に下痢によって欠席している。ニューヨーク市の流行との関係を調査中。

 メリーランド州:バルチモア郡の私立ユダヤ人学校4校の学生や家族の間で,4月7日〜6月14日の期間に真性42と疑似54例のソンネ赤痢菌胃腸炎が33家族に発生したことが,培養で確認された。年齢がわかっている87人中43%は6歳以下である。分離菌はすべてアンピシリン耐性,TMP-SXT,テトラサイクリン感受性であった。ニューヨークの流行との直接の関係は確定できていない。

(CDC,MMWR,36,27,1987)






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