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1987年9月19日,大学のフットボールゲーム後48時間以内に,スタジアムで氷ソーダ水を買った関係者158名が胃腸炎に罹患した。嘔気99%,嘔吐75%,筋痛14%。平均潜伏期36時間で,12〜48時間続いた。フットボールチームのメンバーは,23日に初めてスタジアムの氷を使用し,24,25日になって55名が発症した。
9月21日,上記と別に博物館出資者の会で750人が罹患した。同一業者の氷が有意に関連した。攻撃率は61〜62%,氷の飲物をとらなかった群では10〜16%が発症した。氷が追跡された結果,9月8日の大雨後に工場の井戸があふれたことが判明,その後の検査で高い大腸菌汚染が検出された。また,この地域の個人の井戸使用者にこの時期下痢症が増加した。一学生の便に27nmウイルス様粒子が同定された。この週の60〜300tの氷の使用量から5,000人以上が罹患したとみられる。
氷が原因食となる例は珍しい。ふつうアルコールや炭酸飲料は殺菌効果がある。しかし,氷販売は何ら規制されていない。この集発例ではロタ以外のウイルス性下痢症の特徴がみられる。嘔吐,下痢が高頻度で発熱が少なく,有病期が短い。ノーウォーク因子は過去の米国の非細菌性下痢集発74例中42%を占めている。今回は新しく得られ,4℃に保存した便材料で27nmウイルス様粒子を検出した。凍結は構造の鮮明度をそこなうかもしれず,新しい大量の冷蔵材料を用いることがウイルス検出のカギかもしれないと思えた。
(CDC,MMWR,36,43,1987)
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