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1987年7月初旬,ノースカロライナ州に集合した「虹の家族」年次大会参加者に,多剤耐性ソンネ赤痢菌の流行がおこった
(本月報8巻)。
その後,参加者と接触がない集団で本菌の流行が4件報告されている。
参加者12,000人中50%またはそれ以上の罹患が推定されている。26州からの参加者75人とこれらの接触者14人の感染が培養で確認された。分離株は,通常赤痢の治療に使用されるアンピシリン,テトラサイクリンおよびトリメトプリム−サルファメトキサゾールに耐性であった。
7〜9月に,多剤耐性ソンネ型赤痢の集発がミズーリ州で2件,ペンシルバニア州で2件発生し,分離株は上記流行株と同一抗菌耐性パターンを示した。ペンシルバニア州の例はレストランの常連客と使用人,さらに療養院のレジデントと医員とが罹患した。
1985および86年の米国のソンネ型分離株は4%がトリメトプリム−サルファメトキサゾール耐性であるが,上記と同一多剤耐性パターンはみられていない。この4例の集発は耐性検査の必要性を強調する。この耐性株の伝播は赤痢の治療を困難にする可能性がある。ナリジキン酸またはノルフロキサシンが有効だが,これは胃腸炎の治療にFDAは認可していないことに注意。流行株はゲンタマイシンまたはクロラムフェニコールに感受性である。
(CDC,MMWR,36,38,1987)
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