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1987年9月,軍隊医療部は1ロットのRh免疫グロブリン(Rh‐Ig)の使用を一時さしとめた。これは本ロットを投与された1女性のHIV感染がわかったためである。彼女は1986年9月,第2児出産(12月)前に本ロットを,また,1985年5月第1児出産前には別ロットのRh‐Igを受けた。86年11月の血清スクリーニングで抗体陽性,現在重症免疫不全状態だが,AIDS発症はしていない。第1児(1985年7月生)はHIV抗体陰性,第2児は出生時HIV抗体陽性だったが,9ヵ月後陰性となり,感染はしなかった。
当該Rh‐Igロットの2検体はFDAの検査でHIV抗原陰性。メーカーの記録では原料プラズマはすべてHIVスクリーニングで陰性,すべての製造過程はGMPに合致していた。
米国では年間約50万doseのRh‐Igが約35万の女性に投与されている。数社がCohn-Oncley分画法で製造しているが,この方法はHIVを分離,不活化するのに有効である。1985年以降抗体陽性プラズマはすべて廃棄されている。調査結果はRh‐IgがHIV感染と関連した証拠はなく,上記女性は他のルートで感染したとみられた。
(CDC,MMWR,36,No.44,1987)
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