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Vol.9 (1988/5[099])

<外国情報>
ウイルス性下痢症−米国


 南ダコタで1986年8月末,キャンプ地の行事に参加した331のうち,調査した181人中135が発症,下痢69%,嘔吐,嘔気,頭痛,腹痛,発熱が55〜36%に報告された。発症までの中間値は到着後35時間,有症期間は33時間,ELISAでペア血清7/11がNorwalk virusに対し4倍以上の抗体上昇を示した。水にとかしたジュース摂取が有意に発症に関連,井戸が下水で汚染されていた。

 ニューメキシコで1986年8月末,キャビンロッジの宿泊客と従業員92人中36名が発症,下痢,嘔吐,発熱,腹痛などが報告された。水の摂取量とdose-response関係があった。患者13と26対象者の回復期血清についてNorwalk titerに差はみとめられなかった。ウイルス下痢集発時の診断用材料収集についての勧告は次の通り。

 1)少なくとも48時間以内に可及的すみやかに大量の材料を集める。2)冷蔵保存し,凍らせずその日のうちに検査室に運ぶ。3)便中の因子との関連を確立するために,発症1週以内と3〜4週後のペア血清を集める。

(CDC,MMWR,37,No.5,1988)






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