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1986年11月,ワクチン委員会はMMRを予防接種スケジュールに導入することを勧告した。開始時期は1988年10月1日,最新版予防接種てびきが発送された。
変更の理論的根拠:英国では風疹ワクチンを1970年に11〜14歳女子に導入,1974年から妊婦年齢の抗体陰性者を追加,ポリシーを先天性風疹症候群(CRS)発生防止においた。1984年妊婦の陰性率と感染をミニターした結果,妊婦の陰性率は2〜4%(男子成人は約10%)であったが,1986年1月〜87年9月までに42/2,436(1.7%)の妊婦感染が診断され,子供に風疹感染が続くかぎり,感受性妊婦の感染は避け得ず,CRSの防御は野外ウイルスの伝播を阻止することによってのみ可能であることがわかった。ムンプスは15歳以下で髄膜炎を起こし,毎年1,000以上の入院例があり,聴力障害を生ずる。米国ではMMRの使用によって,ムンプスおよびその後遺症の激減をみている。
新方針:
13〜15月齢男女とも:麻疹ワクチンをMMRにおきかえる。
4〜5歳男女とも:未接種ならばMMRを接種する。
10〜14歳・成人女子:風疹ワクチンを続ける(ワクチン接種年齢集団がおいつくまで)
ポリシー:風疹,CRS,麻疹,ムンプスを撲滅すること。したがって接種率の目標は,麻疹ですでに定められている通り1990年までに90%。
副反応,禁忌:麻疹および風疹のワクチンと同様。
プログラムの監視:次を引き続き行う。
1) 麻疹,ムンプス,風疹の患者サーベイランス。
2) 対象年齢の接種率調査,3) 妊婦の風疹サーベイランス,4) 血清疫学(1〜15歳年間4,000の調査を計画中)。
(CDR,88/29,1988)
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