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1988年9月13日,ウィスコンシンで32歳妊娠36週の妊婦がインフルエンザ症状および肺炎で入院,誘発分娩で17日健康児を出産したが,呼吸器障害が回復せず21日死亡した。14日の喀痰からインフルエンザAウイルスを分離,HI試験で最近の流行株とは反応せず,ブタ型A(H1N1)抗体に反応,ペア血清が4倍以上上昇を示した。
患者は3〜4日に地域フェアでブタに接触したが,獣医によれば,この時ブタ集団にインフルエンザ様症状があったという。普通,インフルエンザウイルスの宿主域は限られるが,時に宿主バリアを越えることがある。たとえば,1968年のホンコン型はアジア株と動物株のreassortantである。今回の例はブタから直接感染したとみられる。直接感染例は前例(死亡例も)があるが,いずれも感染の拡がりはみられていない。
(CDC,MMWR,37,No.43,1988)
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