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改築した老人ホームで再開4週間後胃腸炎流行が始まり,9週間続いた。胃の膨満感と胃痛,ついで嘔吐,下痢,関節痛と首のいたみがあり,大部分72時間以内に全快した。スタッフ51人中34(67%),住人51(平均年齢84歳)中27(53%),通院者60中9(15%)が発症,住人9とスタッフ5は2回かかった。初発は外と接触のない住人で,2日後に最初の通院者が,9日後からスタッフが発症した。初期発生が4月初めでピークが16〜30日という発生パターンは,食物由来よりはヒト−ヒト感染を示唆した。
細菌検査はすべて陰性。糞便の電顕検索で2/18に28〜30nmの形態的にノーウォーク様ウイルス,4/18に20〜22nmのパルボ様ウイルス粒子を検出した。
建物の構造から,排泄物処理前後にウイルス粒子がairborn伝播した可能性が示唆された。
(CDR,88/52,1988)
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