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1988年3月,未殺菌牛乳を常飲している65歳の男性の血中からStreptococcus zooepidemicus(C群レンサ球菌)が分離された。本菌は動物からはしばしば分離されるが,ヒトからの分離は稀である。しかし,ひとたび感染すると重篤な経過をたどる。英国では1984年に本菌の集団発生があり,12名の患者中8名が死亡した。今回の患者の症状も肺炎を主徴とし,重篤な経過をとった。発生に当たって原因追求のための念入りな疫学的,細菌学的調査がなされたが,原因は特定できなかった。同時期に入院した1名の患者血液から本菌が分離されたが,初発患者との関連は見られない。
(CDR,89/07,1989)
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