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Vol.10 (1989/4[110])

<外国情報>
1989/90シーズンのためのインフルエンザワクチンの組成−WHO


 1988年および1989年初めはA(H32),A(H11)およびB型が引き続き流行した。

 A(H32)は1987/88シーズンと類似型とみられるが,A/四川/2/87ワクチンによるヒト抗体は最近の分離株との反応が弱い。抗/上海/11/87フェレット血清はA/四川/2/87よりもよく交叉反応を示した。

 1988/89A(H11)分離株間で抗原差がみられるとはいえ,すべての株は抗A/台湾/1/86(A/シンガポール/6/86類似型)血清とよく反応し,また,A/シンガポール/6/86ワクチンを接種したヒト抗体は分離株とよく交又反応を示した。

 B型はB/北京/1/87およびB/ビクトリア/2/87類似型が多かったが,アジア地域で新変異株であるB/山形/16/88が検出され,前記株に対する動物またはヒト抗体はB/山形/16/88とほとんど反応しない。

 結論として,1989/90シーズン用ワクチン組成として次の3株が推奨された。

  A/上海/11/87(H32)類似抗原

A/シンガポール/6/86(H11)類似抗原

  B/山形/16/88類似抗原

(WHO,WER,64,bW,1989)



 Table 1.Haemagglutination-inhibition tests of influenza B virus





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