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Vol.10 (1989/5[111])

<外国情報>
ヒトパルボウイルスB19感染−米国


 B19感染が再生不良性貧血(TAC),慢性貧血,胎児死亡など重症の結果をきたす場合があることが明らかになったので,関係者に対する解説が示された。B19ウイルスの基礎知識,臨床症状,病原性,疫学,診断検査,さらに感染阻止のためのガイドライン,曝露時の処置および今後の研究方向が述べられている。

 この中で診断法に関する記載の要約は次の通り。最近の感染を検出するために感度が良いのはIgM捕獲抗体ラジオイムノアッセイまたは酵素抗体法で,TACまたは伝染性紅斑発症後3日までに約90%が検出可能である。B19IgG抗体はふつう7日で出現し,何年も続く。B19は一般の細胞や動物では増殖せず,骨髄培養で増殖する。DNAクローニングによってB19キャプシド蛋白を発現するCHO細胞が得られたという報告があり(Kajigaya S. et al. Blood 1988 : 72(Suppl.1)〔Abstruct no. 86〕)抗原への利用が期待される。

 B19DNA検出には核酸ハイブリダイゼーションが感度がよい。血清,白血球,呼吸器材料,尿,組織材料が用いられ,血清より白血球が感度よいという報告がある。パルボ様粒子は電顕で感染患者の赤血球前駆細胞の好酸性核封入体中,および血清中に見られている。赤血球前駆細胞以外では胎児心筋細胞にin situハイブリダイゼーションでウイルスDNAが検出された例がある。

(CDC,MMWR,38,bU,1989)






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