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Vol.10 (1989/6[112])

<外国情報>
ポビドンヨードの汚染−米国


 1988年12月から1989年1月にかけて,テキサスの小児病院で4名の患者の腹水および2名の患者の血液からPseudomonas cepaciaが分離された。腹水から菌が分離された4名中3名は腎透析を受けており,臨床的には腹膜炎であった。血液から菌が分離されたのはICUで治療中の患者であった。調査の結果,使用中の1ガロン入りClinidine(ポビドンヨード液)3本からP. cepaciaが純培養状に分離された。同一ロットの溶液は透析器具の消毒,皮膚の消毒等に用いられていた。CDCおよびFDAで追跡調査を行った結果,未開封同一ロットの溶液および他で使用中の同一溶液からもP. cepaciaが分離された。

ちなみに米国におけるポビドンヨード汚染事例は1980年,1982年に続いて本件が3例目である。前2件の調査から,P. cepaciaおよびP. aeruginosaは水道の配管あるいはフィルターに付着し,水道水を汚染していること,塩ビの配管内部に付着した菌はglycocalyx膜を形成してポビドンヨードに抵抗性を持つことが解明されている。

(CDC,MMWR,38,bW,1989)






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