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Vol.10 (1989/11[117])

<外国情報>
ライム病−米国,カナダ


 米国:1987年2,368例,1988年4,572例が報告された。北部地域は5〜8月,太平洋岸地域は1〜5月に多い。94%は9州からの報告で,特に北部が多い。ライム病は米国で最も報告数の多いVectorborne diseaseで,この報告の50%,ロッキー山紅斑熱と併せると95%を占める。N, N-diethyl-m-toluamide(DEET)がベクターに有効だが,毒性があるのでエンデミック地域以外の使用は不適である。Permethrin(0.5%)が有効だが少数の国しか使用許可されていない。

カナダ:1977〜1989年5月までに30例がオンタリオ州で報告された。米国との境界地域で報告数が多い。咬口の報告は47%,症状は遊走性紅斑,発疹,関節痛/関節炎,インフルエンザ様症状など。5名に神経症状,5名が入院した。数州でベクター分布調査が計画されている。

 DEET昆虫駆除剤による一時的発作:1989年6〜8月に米国で発生した5例(3〜7歳男児4例,29歳男性1例)では,前駆症状はなく,すみやかに回復した。いずれも皮膚局所に使用したもので,最終使用と発作の間隔は8〜48時間だった。発作がDEETによるものであることを決めるのは慎重でなければならないが,当局は,DEETの接触を最小限にするよう警告している。

(CDC,MMWR,38,39,1989)






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