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Vol.10 (1989/12[118])

<外国情報>
農村小学校の肝炎集発−英国


 1987年6月,北アイルランドの在籍51人,3クラス編成の小規模小学校で11人が肝炎発症,パターンからA型肝炎が疑われた。初発は5月12日,ついで7週中に6家族12例(1例は未就学兄弟)に発生した。教職員は発症せず。手洗設備が不十分でペーパータオルの備え付けがなかった。通学児をもつ38家族,合計217例のアンケートで他に25例,合計37例(攻撃率17%)の集配であったことがわかった。すべて6〜10月の発症,感染率は15歳以下は20%,成人は13%。発生が集中した中級児と発症児の家族および教職員に7月末に免疫グロブリンが投与され,投与後3,4日に発症した2例を除くと発症は0/38であったのに対し非投与者は28/169(16.5%)だった。本流行の初発の感染源は地域社会,ついで学校のヒト−ヒト感染であったとみられるが,初発は単にこの地域の高い肝炎分布を反映したものかもしれない。

(CDR,89/43,1989)






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