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ワシントン州キング郡における淋病が男性同性愛者の間で増加傾向にある。性病科を受診した男性同性愛者の性病発生数は,1982年の720人から1988年の27人(−96%)まで減少を続けていたが,1989年は9月までにすでに71例の報告があり,年間100例の発生が見込まれている(前年の3倍)。一方,同地区の全人口に対する性病罹患率の減少傾向は依然として続いており,1982年の371/10万(総数4,709)から1988年には244/10万(同3,443)となり,1989年9月までの発生も前年の6%減で推移している。
この間,同性愛者および異性愛者の年齢構成,人種構成には変化がなく,淋病増加の原因ははっきりしていない。推測にすぎないが,性に関する安全教育を受けていない人々の間に淋病が持ち込まれたか,あるいはSTDやHIVの減少で性行為に対する気の緩みが生じたためと考えられる。
(CDC,MMWR,38,No.44,1989)
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