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Vol.11 (1990/3[121])

<通知>
医療機関からの病原菌検出情報収集方式の変更について


病原微生物検出報告書書式3で収集されている病原菌検出情報のうち,医療機関集計(書式3B)が1990年1月から改訂された。本書式の改訂は過去数年間,衛生微生物技術協議会などを通じて検討し,各都道府県市,地方衛生研究所,協力医療機関の調整と協力のもとに実施に移されたものである。ここでは改訂書式による情報収集の開始にあたって,改訂内容と,これに伴う月報掲載表の変更,開始月における収集状況などについて説明する。

1.改訂内容:本情報システムでは,1989年検出分まで医療機関からの病原菌報告を,地研・保健所集計と同一書式を用いて,検出数の情報を蓄積してきた。しかし上記書式は検出合計数の集計であるため,病因菌と常在菌の区別がつかず,特に医療機関集計については,感染症情報解析の資料としての利用は限られざるを得なかった。

今回の改訂では,検出材料別にそれぞれ特定の菌の検出数を収集する方式を導入することによって,できるだけ臨床症状や疾病との対応を明確にすることを意図したものである。

2.記載法:「表」面ではヒト由来の病原菌について疾病の原因と考えられた場合の検出数(保菌者を含む)を報告する。常在菌と考えられた場合,または検体の材料が不明の場合は報告しない。「表」面に記載されていない材料または菌の検出は「表」面には報告しない。「表」面に記載のない菌,または「表」面で報告した菌のいずれにおいても特記すべき検出例については具体的に「裏」面に記載する。

3.月報掲載表:1990年1月検出分の集計については,本号に掲載した。ここに示したように,月報では各材料別,菌種別の全国の報告合計数が掲載されることになる。次月からは,その月の合計数と併せて1月からの累計数が掲載される。また,「裏」面に記載された重要な症例に関する情報は,本号に掲載した。医療機関報告の各県別集計の月報掲載については紙面の関係など編集会議で検討中である。

4.新報告書式による報告状況:1990年1月検出分集計の段階で新報告表によって医療機関情報を送付した地研は32,これら地研から報告された協力医療機関数は合計185である。報告地研,協力医療機関名を下記に掲載した。このうち,1990年1月に病原菌検出数を報告した医療機関は172であった。



協力地方衛生研究所一覧



札幌市衛生研究所,青森県衛生研究所,秋田県衛生科学研究所,山形県衛生研究所,栃木県衛生研究所,群馬県衛生公害研究所,埼玉県衛生研究所,千葉県衛生研究所,新潟県衛生公害研究所,富山県衛生研究所,石川県衛生公害研究所,福井県衛生研究所,山梨県衛生公害研究所,静岡県衛生環境センター,愛知県衛生研究所,名古屋市衛生研究所,滋賀県立衛生環境センター,大阪府立公衆衛生研究所,堺市衛生研究所,兵庫県立衛生研究所,神戸市環境保健研究所,姫路市環境衛生研究所,奈良県衛生研究所,和歌山県衛生公害研究センター,岡山県環境保健センター,広島県衛生研究所,山口県衛生公害研究センター,香川県衛生研究所,佐賀県衛生研究所,長崎県衛生公害研究所,大分公害衛生センター,沖縄県公害衛生研究所



協力医療機関一覧



札幌医科大学附属病院,北海道大学医学部附属病院,国立札幌病院,NTT札幌病院,勤医協中央病院,市立札幌病院,札幌臨床検査センター,大給臨床検査所,青森県立中央病院,弘前市医師会成人病検診センター,五所川原市立西北中央病院,むつ総合病院,八戸市立市民病院,平鹿総合病院,山本組合総合病院,永井小児科医院,畠山医院,北村山公立病院,山形県立中央病院,篠田総合病院,至誠堂総合病院,小白川至誠堂病院,東北中央病院,山形市立病院済生館,山形大学医学部附属病院,山形県立河北病院,山形市医師会市民保健センター,山形県立新庄病院,鶴岡市立荘内病院,米沢市立病院,長井市立総合病院,南陽市立総合病院,三友堂病院,公立高畠病院,済生会宇都宮病院,川口市民病院,大宮赤十字病院,千葉市立病院,新潟市民病院,県立がんセンター新潟病院,長岡赤十字病院,頸南病院,金沢医科大学病院,石川県立中央病院,金沢市立病院,金沢赤十字病院,国民健康保険小松市民病院,松任石川中央医療施設組合公立松任石川中央病院,加賀山中医療施設組合公立加賀中央病院,社会保険鳴和総合病院,石川県医師会臨床検査センター,財団法人石川県予防医学協会,財団法人北陸血清研究所,株式会社太陽厚生科学研究所,株式会社北陸メディカルサイエンス,福井県立病院,山梨県立中央病院,甲府市立甲府病院,甲府共立病院,巨摩共立病院,山梨厚生病院,富士吉田市立病院,沼津市立病院,富士中央病院,県立総合病院,県立こども病院,寺村小児科病院,市立島田市民病院,遠州総合病院,聖隷浜松病院,国立東静病院,富士宮市立病院,総合病院清水厚生病院,共立蒲原総合病院,静岡赤十字病院,焼津市立総合病院,榛原総合病院,共立菊川病院,磐田市立総合病院,浜松赤十字病院,静岡厚生病院,藤枝市立志太総合病院,祖父江内科医院,静岡済生会総合病院,社会保険桜ケ丘総合病院,静岡市立静岡病院,豊橋市民病院,市立岡崎病院,愛知県厚生農業共同組合連合会更生病院,名古屋市立東市民病院,名古屋市立城西病院,名古屋市立城北病院,名古屋市立守山市民病院,名古屋市立緑市民病院,名古屋市立大学病院,大津市民病院,済生会滋賀県病院,近江八幡市民病院,長浜赤十字病院,箕面市立病院,市立吹田市民病院,松下記念病院,府立羽曳野病院,市立泉佐野病院,岡藤小児科,吉川産婦人科病院,森脇医院,甲南病院,兵庫県予防医学協会,神戸海星病院,神鋼病院,神戸労災病院,神大医学部附属病院,社会保険神戸中央病院,市医師会医療センター,川崎病院,三菱神戸病院,市立西市民病院,県立こども病院,須磨赤十字病院,佐野病院,姫路市御立病院,県立医大附属病院,県立奈良病院,県立三室病院,県立五条病院,国立奈良病院,大和高田市立病院,土庫病院,吉田病院,天理よろず相談所病院,奈良市医師会検査センター,岡山済生会病院,岡山赤十字病院,倉敷中央病院,広島市立舟入病院,広島大学医学部中央検査部,県立広島病院,広島赤十字・原爆病院,広島市民病院,広島市立安佐市民病院,広島総合病院,広島共立病院,マツダ病院,広島市医師会臨床検査センター,安芸地区医師会臨床検査センター,国立呉病院,呉市医師会臨床検査センター,中国労災病院,三原市医師会臨床検査センター,尾道総合病院,国立福山病院,日本鋼管福山病院,福山市医師会臨床検査センター,福山市民病院,中国中央病院,府中総合病院,双三中央病院,公立みづき病院,三原赤十字病院,国立療養所広島病院,尾道市民病院,山口県立中央病院,香川県立中央病院,高松赤十字病院,高松市民病院,国立善通寺病院,社会保険栗林病院,香川県厚生農業共同組合連合会屋島総合病院,佐賀県立病院好生館,社会保険佐賀病院,国立佐賀病院,国立療養所東佐賀病院,唐津赤十字病院,長崎大学医学部附属病院,長崎市立病院成人病センター,大村市立病院,佐世保共済病院,佐世保総合病院,名護病院,中部病院,那覇病院,南部病院,宮古病院,八重山病院,那覇市立病院,中頭病院



新書式報告に関する今までの問合わせのうち主なものは,鼻汁の取り扱い(鼻咽喉材料とする),膿・耳漏からの分離例(原則として収集せず,重要と考えられた場合は裏面利用),胆汁からの分離例(裏面に記載),気管切開チューブからの分離例(下気道材料とみなす)などである。

5.付記:各都道府県市,地研において事務局への報告項目とは別に収集される多くの情報については,各県の感染症サーベイランスに利用をはかられるとともに,その成果について本情報の今後の改正のための資料として役立てられるよう期待します。



病原微生物検査情報事務局





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