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北半球の1989/90インフルエンザシーズンは異常に早く,10〜11月に始まり,西ヨーロッパや米国では12月に多発した。少なくとも3国(ベルギー,フランス,英国)では近年最大の流行となり,英国では高いインフルエンザ関連死亡数が報告された。しかし,他の地域はそれほどでなく,散発または局地発生に終った国もあった。
南半球も地域によって差がみられ,ニュージーランドでは学校等に広範な散布がみられたが,オーストラリアはほとんど発生がなかった。
A(H3N2)がヨーロッパで流行し,シーズン中世界で優勢だった。B型は遅れて出現し,ある地域では集発をおこした。A(H1N1)の報告はまれで,そのほとんどはアジアからだった。
(WHO,WER,65,No.46,1990)
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