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Vol.12 (1991/1[131])

<外国情報>
歯科医からのHIV感染−米国


AIDSと診断された歯科医に抜歯処置を受けた女性が24月後にAIDSになり,歯科医からの感染と診断された。このような状況での感染の初の事例である。処置中に感染の可能性が疑われる事実は認められないにかかわらず,歯科医からの感染とされた理由は(1)HBで同様の感染例がある。(2)他にリスク因子がない,(3)ウイルス核酸配列が類似した。

歯科医と患者の血液から抽出したDNAのPCR増幅法による診断の根拠は次の通りである。gp120 variable域(V3,V4,V5)とconstant域(C3)の比較において,歯科医と患者の塩基配列は相異し,それぞれユニークな置換があった。しかし,両者間の差が4.6%であるのに対し,北米の無関係の17分離株(株間の相異は4.7〜12.9%)と歯科医株の差は8.1%,患者との差は8.8%であった。また,歯科医株と患者株間に共通の塩基置換(他との間にはない)がみられた。さらに,両株間の差4.6%は今まで知られている疫学的関連例の場合(3.4〜5.8%)と一致した。

(CDC,MMWR,39,No.29,490,1990)






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