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米国では各地でHUS患者からE.coli O157:H7が高率に検出され,本菌に関する情報の重要性が高まっているにもかかわらず,サーベイのシステムがなかった。CDCでは1989年,全米51州の公衆衛生研究所(SPHLs)を対象に,1988年時における病原大腸菌O157:H7の検査の可否および可能な場合,本菌の分離数について調査を行った。その結果,39(78%)のSPHLsが検査可能,26ヵ所からO157:H7の分離が報告された。1988年の分離株総数はCDCで同定した3ヵ所のSPHLsを合わせて489であった。報告数の最も多かったのはワシントン州の156,次いでオレゴン州64,ミネソタ州63,マサチューセッツ州36等で,全米に広く分布していることが判明した。集団発生はミネソタとウィスコンシン州のみから報告され,他州からは散発事例あるいは家族内感染が報告された。本菌分離のピークは6〜8月であった。
(CDC,MMWR,40,SS−1,1〜6,1991)
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