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前報(本月報Vol.12)に加え,さらにHIV感染者2名(患者EとG)が確認され,当歯科医から歯科治療を介して感染したとみられるHIV感染者は合計5名となった。患者Eは若い女性,Gは若い男性,いずれも他にリスク因子がなく,分離ウイルスの遺伝子解析(エンベロープgp120をコードするV3領域240塩基の比較)で確認された。患者EのsexパートナーFもこの歯科医の治療を受け,HIV抗体陽性だったが,分離ウイルスの遺伝子配列は歯科医およびその感染者と差が大きく,関連が否定された。当歯科医の開業は1981年,5人の感染者はいずれも歯科医がAIDSと診断された1987年以降に治療を受け,特にEとGは1988年夏に感染したとみられるので,患者への感染は歯科医の発病後期に起こったとみられる。
(CDC,MMWR,40,No.23,377,1991)
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