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Vol.12 (1991/11[141])

<外国情報>
Cyanobacteria (Blue-Green Algae)様粒子による下痢の集発,1989&90−シカゴ,ネパール


1986年以来,長期の下痢,食欲不振,疲労などを示す患者の便からCyanobacteria Like Bodies(CLB)の検出が報告されているが,いずれも免疫不全者または熱帯地域へ旅行した者であった。最近,健常者の3集発(罹患150人)が報告された。1990年7月シカゴの病院で医師らが4週間下痢を繰り返した。患者20中10例にCLBを検出,水の汚染が原因だった。9週後は陰性。近隣の病院でさらに2例の陽性例があった。

ネパールのカトマンズでは1989年5〜11月50人以上が発症,有症期間は4〜107日(平均43日),抗生物質は無効。さらに1990年5〜10月に同一クリニックの85人の便にCLBが検出された。ネパール市民の検体184中6(3%)がCLB陽性だった。Cyanobacteria (Blue-Green Algae)は原始的単細胞または多細胞光合成細菌の総称でふつう水中または多湿場所にみられる。病原性の詳細は不明だが,原因不明の長期下痢ではこれを考慮すべきである。

(CDC,MMWR,40,No.19,325,1991)






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