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Vol.13 (1992/1[143])

<外国情報>
Mycobacterium haemophilum感染−ニューヨーク


 M. haemophilumは,1978年に初めてヒトの病原体として記載されたが,1989年までに18例が報告され,合衆国からの報告は7例に過ぎなかった。

 1990年9月〜1991年4月にニューヨーク市で7名の本菌感染事例の報告があったため,病院の検査室を対象に調査を行ったところ,4月24日〜9月1日の間にニューヨーク市内の7病院で13例の症例が確認された。13名のうち11名はAIDS患者,2名は骨髄移植患者であった。本菌の初期感染像は皮膚潰瘍のため,潰瘍部位からの菌分離が最も多く11例あった。7名の患者は皮膚の他骨髄(5),喀痰(4),関節液(2),血液(1),肺生検(1)等複数材料から菌が分離された。13名中2名が死亡したが,本菌による死亡は肺疾患の1例であった。

 本菌は通常の抗酸菌分離培地では発育せず,ヘミンあるいはヘモグロビンを加えたMiddlebrook 7H10寒天培地などで分離できる。なお,治療は抗生剤,化学療法等の組合せによる。

(CDC,MMWR,40,37,636,1991)






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