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1960年にメチシリンが使われるようになってまもなく出現したMRSAは1971年まで増加し続けた。その後薬剤の使用変更で減少したMRSAは,1980年代初期に再び増加し始めた。MRSAはファージ型,薬剤パターン,プラスミドプロファイル,DNAの制限酵素パターン等でEMRSA-1,EMRSA-2,EMRSA-3,OMRSAに分けられる。これらMRSAの1980年以降1991年第1四半期までの出現頻度,地理的分布,MRSA型の変遷について調査した結果,EMRSA-1は1981年から1987年までの流行型で広範囲に分布していたが,1991年には3地区で検出されたにすぎない。EMRSA-2は南西テームズ地区に限って出現し,1987年に同地区に初めて出現したEMRSA-3は現在8地区に広がっている。その他の型(OMRSA)は少なくとも11に分けられ全国から検出されているが,この中には輸入例も散見され始めており,さらに詳細な検討が必要である。
(CDR,2,RbR,R25,1992)
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