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Vol.13 (1992/5[147])

<外国情報>
シプロフロキサシンによる腸チフスの治療−シンガポール


 1990年11月〜1991年6月に受診し,血液から菌が分離された腸チフス22例,パラチフス4例の患者にシプロフロキサシン(CIP)を経口投与し治療効果を調べた。投与量は500mg/日,7日間。投与開始の平均病日は9日であった。CIP投与後解熱までの平均日数は4日であった。投与5日目あるいは解熱時に血液培養を,投与開始後連続7日間便培養を実施した。解熱のみられなかった1例を除いて25例は菌陰性となった。患者の平均入院期間は8日であった。6週後に2例が再発し,それぞれceftriaxoneおよびchloramphenicolで治療した。再発の2例を除いて他の患者は治療終了3ヵ月後まで便培養は陰性であった。

 CIPを10〜14日間投与した場合再発はみられないという報告もある。しかし今回,7日の短期間とはいえ2例に再発がみられたことから,CIPの投与は乱用すべきではないと思われる。

(Singapore ENB,18,bQ,9,1992)






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