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1991年6月,Ae. albopictus(ヒトスジシマ蚊)の吸血調査の一環として,フロリダPolk区のタイヤ集積場(タイヤ約8百万本)周辺の蚊を収集,9,350(96プール)の蚊からVero細胞プラックによってEEEウイルス(V)14株を分離,アルファウイルス単クローン抗体パネルを用いた間接FAで同定した。さらに陽性プールから直接哺乳マウスic接種でウイルスを分離し,プラック減少中和法でEEEVを確認した。一方,43吸血材料が吸血同定検査に供された。結果はウシ31%,不明哺乳動物24%,シカ19%,ヒト14%,アライグマ7%,ウサギ5羽は,渡り鳥2%であった。
本報告はAe. albopictusからEEEVを分離した最初の報告である。1991年春の多雨によって,フロリダでは蚊が異常発生し,EEEが増加した。本来,EEEはCuliseta melanuraと鳥類間に伝播サイクルがあるが,1986年以降フロリダでAe. albopictusが拡がり,しかもこの蚊がEEEVの保有蚊となりうることが実験的に確認されているので,今後これがこの地域で,EEEのベクターになる可能性がある。EEE伝播サイクルにおけるAe. albopictusの役割を明らかにするために,1992年夏にPolk区における協同研究が計画されている。
(CDC,MMWR,41,bV,115,1992)
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