HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.13 (1992/5[147])

<外国情報>
国際体操競技会における麻疹,1991年−米国


 1991年9月6〜15日,インディアナポリスで行われた国際体操競技会(51ヵ国,参加者約1,900,スタッフ等2,500,家族−観衆など6万人)において,ニュージーランド(NZ)チーム16人中3人の麻疹患者(15および16歳女子)が発生した。NZチームは8月29日に到着,30日に2人が発病,9月4日発疹,第3例は9月5日発病,2日後発疹を生じ,いずれも麻疹IgM抗体が検出された。3例とも11〜14ヵ月齢で生麻疹ワクチン接種を受けたこと,および2週前に麻疹患者に暴露したことを報告した。他のNZメンバーは隔離,検査の結果,IFAで麻疹IgG≧1:40が12時間以内に確認された。州衛生局の勧告によって9月8〜12日に6ワクチンクリニックを開設,合計1,300人がワクチン接種を受けた。副作用を報告した3人はいずれも局所反応で軽症だった。厳密な2次感染追跡調査がなされたが,その後の発生はなかった。

 本例は,伝播力の高い時期に接触者が多かったために,大会関係者だけではなく,地域社会への流行拡大が懸念された。麻疹が容易に世界的に拡がることを示した例である。二次感染が防げたのは,多くがすでに免疫があったこと,大会本部の迅速な措置と,地方衛生局,州検査室,ワクチン接種スタッフの適切な協力によるものである。また,ジェットインジェクターと多人数用ワクチンバイアルがタイムリーの接種に役立った。

(CDC,MMWR,41,bV,109,1992)






前へ 次へ
copyright
IASR