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Vol.13 (1992/5[147])

<国内情報>
平成3年度厚生科学研究費補助金(特別研究事業)「衛生研究所及び保健所における行政検査の質の向上に関する研究」−細菌系調査結果


 本研究の報告書の全文は本年6月の全国地方衛生研究所全国競技会臨時総会において報告される予定である。報告書は膨大な資料を含む詳細なものであるが,本月報においては「微生物系」に関する調査について要約を分割して紹介する予定である。今回は「微生物系」研究結果のうち「細菌系」に関する調査の要約と資料の一部を掲載した。

(資料作成:神奈川県衛生研究所,山井 志朗他。

要約責任:病原体情報事務局)



 本研究は地方衛生研究所及び保健所における行政検査の質の向上を図ることを目的とするものである。

 平成3年度は,全国の地方衛生研究所及び保健所において実施されている行政検査並びに一般検査の実態の把握,微生物系で用いられている市販試薬の品質の確認,外部精度管理実施方法の協議並びに内部精度管理マニュアル作成の検討を行った。このうち,「微生物系」については細菌系,ウイルス系,真菌系及び寄生虫系についてそれぞれアンケートを作成し,検査を実施している微生物の種名,検査の内容(培養法,同定法,その他の検査法等)を調査した。細菌系に関する調査結果の表の一部を掲載した。

 食品−水媒介感染症−食中毒原因菌31菌種,呼吸器感染症原因菌10菌種及びその他の感染症原因菌14菌種,計55菌種についての回答が得られた。主要な食品−水媒介感染症−食中毒原因菌はほぼ全ての地研で検査を実施していた。しかし,型別などの検査実施のレベルは菌種及び地研により異なっていた。呼吸器感染症原因菌とその他の感染症原因菌では,検査を実施している地研は45(63.4%)以下で,特に結核菌35地研(49.3%),ジフテリア菌23地研(32.4%),百日咳菌17地研(23.9%),髄膜炎菌24地研(33.8%)で検査に対応しているにすぎなかった。



主任研究者 松崎 稔(神奈川県衛生研究所長)


表 細菌系調査結果(検査対象細菌種:55菌種)





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