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オーストラリア,1991:1990年秋〜91年春に麻疹が流行,1983年以来の最高数となった。流行は各地域に拡がっている。患者は5〜19歳が60%以上。麻疹に対する抗体保有率は9歳以下群が91%以上に対し,10〜14歳は77%以下なので,今後も学校における集発が続くとみられる。最近10年間の麻疹による死亡は46例。衛生当局は既往歴に関係なくルチーンに12ヵ月児にMMRワクチンの投与を勧告している。ワクチンによる抗体上昇は自然感染のそれよりも早いので流行中の年長児の投与も有効だろうと述べている。
ニュージーランド,1991:1985年以来の流行が1991年2月に始まったので,7〜12月の発生について調査がなされた。合計報告数は9,239,ピークは7月,5歳以下が34%(うち1歳以下が10%),10〜19歳37%。実際はこの3〜4倍とみられる。衛生当局はMMRワクチンの2回投与,すなわち第1回は12〜15月齢,第2回は11〜12歳全児童(現在は風疹ワクチンを女子だけに投与)に投与することを通知した。
(WHO,WER,67,19,139,1992)
ポーランド,1989〜90:1984〜85年の流行後減少した麻疹が1990年に増加,56,471例(148/10万)が報告された。患者年齢が年長児に移行し,約60%が11歳以上である。2歳以下のワクチン接種率は60〜80%,2〜4歳は96%,ワクチン接種効果は95〜97%である。ヨーロッパでは多くが麻疹ワクチンの2回接種方式を採用している(ブルガリア,チェコスロバキア,デンマーク,フィンランド,フランス,ハンガリー,マルタ,オランダ,スウェーデン,スイス)。ポーランド厚生省は2回目の麻疹接種を定期免疫プログラムに導入する方針を定め,1991年から小学校2年児(7〜8歳)の接種を開始した。
(WHO,WER,67,bW,50,1992)
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