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アデノ1型は,全国情報でも報告数は少なく,香川県下においても例年,数株の分離であったが,1992年1月〜4月にかけて高松地域を中心とする流行が確認された。
今回の流行は,1月14日急性肺炎患児(2歳3ヵ月)から初分離,以降第7週から第12週をピークとして第16週までに56株が分離された。この流行は,県下での第6週から第9週をピークとするインフルエンザ様疾患の流行期間に一致し,混在した。
疾患別にみると咽頭気管支炎25株(44.6%),肺炎12株(21.4%),上気道炎7株(12.5%),下気道炎3株(5.4%),気管支炎3株(5.4%),扁桃炎1株(1.8%),胃腸炎1株(1.8%),発熱4株(7.1%)で,呼吸器系疾患が91.1%を占めた。また,発熱疾患(2ヵ月男児)で髄液,咽頭の同時分離例があった。
年齢別では,0歳児17例と多くを占め,ついで1歳および2歳がそれぞれ7例で,低年齢に高い罹患傾向を示した。
ウイルス分離では,HEL,FL,HeLa細胞を用い,HEL細胞に高い感受性を示し,従来分離との株間相異は認められなかった。
香川県衛生研究所 三木 一男,藤井 康三,池尻 久仁子,山西 重機
アデノ1型週別分離状況(香川県)
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