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Vol.13 (1992/9[151])

<国内情報>
滋賀県内におけるコクサッキーウイルスA3型の分離例について


 コクサッキーウイルスA3型(CA3)は全国的にも分離例の少ない型であるが,1989年滋賀県において無菌性髄膜炎(AM)患者から8株分離されたので報告する。

 AM患者からのCA3分離例を表1に示した。これらはいずれも同一病院の患者であり,検体採取日は例2から例7までの間隔は13日間と時期的にまとまっていた。CA3が分離された材料をみると,髄液から2株,ふん便から6株であった。このふん便から分離された例については,AMの病因と確定することはむずかしいと考えられる。

 コクサッキーウイルスA群が分離される年齢層は一般的に5歳以下が多いのに対し,今回の分離例は8人中6人が5歳以上であった。さらに,髄液から分離された者も,8歳および13歳と年齢が高かった。

 ウイルス分離はいずれも,生後24時間以内の哺乳マウスを用いた。また,型別は,8株中2株はレファレンス委員会により配布された免疫腹水を用いたCF試験で当所において可能であったが,その他6株は,コクサッキーウイルスA8型と区別できず,国立予防衛生研究所の萩原先生により中和試験で同定された。

 哺乳マウスを用いたウイルス分離は,AMの他,ヘルパンギーナ,発疹症,手足口病,口内炎などの患者材料について実施しているが,1989年においてCA3は表1に示した以外には分離されなかった。



滋賀県立衛生環境センター 横田 陽子,橋本 正


表1.無菌性髄膜炎患者からコクサッキーウイルスA3型の分離された事例





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