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Vol.13 (1992/9[151])

<国内情報>
流行閑期の6月に山形県で分離されたB型インフルエンザウイルス


 山形県における今冬季のインフルエンザの流行は,1月下旬に始まり3月下旬にほぼ終息した。厚生省保健医療局疾病対策課結核−感染症対策室のインフルエンザ様疾患発生報告(平成4年4月20日,第23報)によれば,全国の報告患者総数は273,115名で昨年同期(533,994名)の約半数であった。一方,山形県内の報告患者は3,423名で,昨年同期(14,896名)の約1/4程度にとどまった。

 この流行期間中に山形県では2株のA香港型と20株のAソ連型ウイルス計22株が分離された。

 そして,4月に入るとインフルエンザ様患者の発生報告はなくなり,今シーズンのインフルエンザは終息したものと思われた。ところが,5月下旬には山形市内でインフルエンザ様症状を呈した散発患者3名からB型インフルエンザウイルスが分離された。さらに,6月に入って6株のB型インフルエンザウイルスが相次いで分離された。

 山形県において6月中に分離された6株のウイルス分離状況や分離ウイルスの抗原性を表に示した。なお,7月に入ってもインフルエンザウイルス(未同定)が分離され続けている。

 私達は,流行閑期である春から夏にかけて分離されたウイルスが次冬季の流行株になったことをこれまでに何回か経験しているので,今後これらのB型ウイルスの動向に注目して調査を進めていく予定である。



山形県衛生研究所 大山 忍


分離ウイルスの抗原性(山形県)





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