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1992年1月から7月までの山形市,仙台市におけるインフルエンザウイルス分離状況を報告する。
対象:山形市はすべて山形市立病院済生館小児科の外来,入院患者,仙台市はすべて永井小児科医院の外来患者である。
方法:患者から採取した咽頭ぬぐい液は,凍結しないで冷蔵庫に保存し,山形からは週2回まとめて,仙台では2日ごとに採集した。
材料はその日のうちに,HEL,HEp-2,Vero,MDCK,HMV-Uの5種類の細胞に接種した。方法はマイクロプレート法に従った。
結果:本年1月から7月31日までに,インフルエンザウイルスは山形市では216株,仙台市では458株分離した(表1)。山形市,仙台市ともにA(H1N1)の流行が1〜3月にみられた(図1)。A(H3N2)は山形市では1〜4月に少数づつ,仙台市でもほぼ同時期に小流行の形をとりみられた。Bは山形市では5月から7月31日現在まで毎週連続して分離され,小流行の形をしめし,仙台市では3月と5月に単発で分離された。
国立仙台病院ウイルスセンター
(WHOウイルス性呼吸器疾患協力センター)
表1.インフルエンザウイルス分離件数(1992年1−7月)
図1.月別インフルエンザウイルス分離状況(1992年1−7月)
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