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A型肝炎ウイルス(HAV)に対する新ワクチンがヨーロッパ数国で認可された。細胞培養HAVのホルマリン不活化ワクチンで,ひきつづき近年中に他の不活化ワクチンが許可の見通しであり,また,数種の弱毒生ワクチン開発中である。
許可されたワクチンは3回投与(初めの2回は1週間隔,3回目は6ヵ月後)が推奨される。2回投与後の抗体獲得は90%だが,免疫持続のために3回目の追加投与が望ましい。WHOおよび国内委員会はまだ正式な使用手引きを作成していない。本ワクチンはHAV低浸淫地(西ヨーロッパ,北米,オーストラリア,日本)から途上国への旅行者に有用だろう。一般への定期接種については免疫持続期間,患者発生状況,費用,他の疾病と比べた場合の優先順位など,各国の状況にあわせた検討を要する。
(WHO,WER,67,35,261,1992)
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