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CDCは,1993年にHIV感染症例の分類を見直し,末梢血CD4+T細胞数の臨床的重要性を考慮に入れ,1986年に報告した分類を変更した。この目的は,HIV感染の分類を単純化すること,最近のHIV感染者の治療基準を反映させること,およびHIV関連疾患による死亡を正確に分類することにある。また,これをAIDS診断基準に拡大し,CD4+T細胞数が200/μl以下のもの,あるいは全リンパ球数のうち,CD4+T細胞の割合が14%以下のものをAIDS症例として加えた。また,臨床症状として次の3つを加えた。すなわち,肺結核,再発性肺炎および侵襲性子宮頸癌であり,1987年に発表された他の23の臨床症状はそのまま残った。生死にかかわる日和見感染は末梢血CD4+T細胞の絶対数(1μl当たり)およびその比率と強い相関があることが分ってきた。つまり,CD4+リンパ球が減少するにつれて,日和見感染の危険性と重傷度は増す。発症予防のための抗ウイルス剤および抗微生物剤の投与開始は,免疫抑制がある範囲内が望ましい。抗ウイルス剤の投与はCD4+T細胞数が500/μl以下で考慮されるべきであり,カリニ肺炎の予防的治療は200/μ以下において開始されることが望ましい。この基準は,1993年1月1日から全州のAIDS症例報告に適応される。
(CDC,MMWR,41,No.RR−17,1,1992)
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