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Vol.14 (1993/4[158])

<外国情報>
1992〜1994年のAIDS患者および免疫抑制HIV感染者数の予測−米国


 この報告は,1992〜1994年に米国において1987年の診断基準によってAIDSと診断される人の数の予測である。またこれは,HIV感染者でCD4+Tリンパ球数が200/μl以下であるが1987年の基準ではAIDSと診断されていない症例の予測も含んでいる。

 1991年1年間で5.8万人の米国人がAIDSと診断された。1992〜1994年には新たにAIDSと診断される人の数は毎年数%ずつ増加し,年間6〜7万人と予測される。同性および両性愛者,薬物静注者でAIDSと診断される数は変わらないが,異性愛者は1994年まで増加し続ける。AIDSと診断されて生存している人は1992年1月の9万人から1995年1月の約12万人に増加すると考えられるが,この予測はかなり不確実である。例えば,1994年に初めてAIDSと診断される者の予測数は4.3〜9.3万人という幅があるからである。

 CDCは1992年1月の時点で11.5〜17万人に顕著な免疫抑制があるとみている(CD4+T細胞数200/μl以下でAIDSとは診断されていない)。そのうち5万人程度しかHIV感染に対する治療を受けていない。深刻な免疫抑制をもった人の数は1995年1月までに13〜20.5万人にのぼるとみられる。1993年には新しいAIDS診断基準により,診断基準を変更しない場合に比較し,深刻な免疫抑制をもった人の数は75%増加するが,1994年には20%以下の増加にとどまる。この予測から米国人のHIV感染数が減少するとは考えにくく,1990年代前半は増加を続けると予測される。

(CDC,MMWR,41,No.RR−18,1,1992)






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