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Vol.14 (1993/6[160])

<通知>
乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチンの接種について


健医感発第51号

平成5年4月27日

各 都道府県衛生主管部(局)長殿

厚生省保健医療局疾病対策課

結核・感染症対策室長



 標記については,昭和63年12月19日付健医感発第93号結核・感染症対策室長通知により実施しているところであるが,この度,公衆衛生審議会伝染病予防部会より,別紙のとおり意見が出されたので,これに基づき,乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチン(MMRワクチン)の接種について本日付けでその実施を当面見合わせることとしたので,医師会等関係機関と連絡を密にするとともに,貴管下市町村の指導に遺憾なきを期されたい。



別紙

 MMRワクチンの当面の取扱いについて(意見)

平成5年4月27日

公衆衛生審議会伝染病予防部会

1.平成3年10月から平成4年9月までの自社株MMRワクチン接種後の無菌性髄膜炎の発生頻度は,北里株1,754人に1人,武田株1,072人に1人,阪大微研株35,907人に1人であった。

2.阪大微研株については,無菌性髄膜炎の発生頻度は他の2株に比べ明らかに低く,今後引き続きワクチン接種を行っていくことも考えられるが,統一株と同様の占部株を用いているにもかかわらず,無菌性髄膜炎の発生頻度が低い点について,市町村からの発生報告にもれがないかについて,医薬品副作用報告の結果も参考にしながら調査を行う必要がある。

 一方,統一株における占部株については,北海道におけるワクチン接種児の家族における感染事例が報告されている。これについては,国立予防衛生研究所におけるPCR検査によってワクチン由来株であることが遺伝子レベルで確認されている。また,東海地方においても同様な家族内感染を疑わせる事例の報告があり,現在厚生省で事実関係の調査を行っているが,さらに,他にそうした事例がないかについても調査するとともに,ワクチンの性状等について製造メーカーからデータの提出を求め,検討する必要がある。

3.以上のようなことから,MMRワクチン接種については,当面,実施を見合わせることが適切であると考える。なお,上記の調査結果がまとまり次第,本部会においてMMRワクチンの今後の取り扱いについて検討する。






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