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Vol.14 (1993/6[160])

<外国情報>
米国西部諸州で発生したハンバーガーによる大腸菌O157:H7感染症:最新情報


 1992年11月15日〜翌年2月28日の間にワシントン,アイダホ,カリフォルニアおよびネバダの4州から,4名の死者を含む500名以上の大腸菌O157:H7による感染が報告された。発端は,1993年1月13日,溶血性尿毒症(HUS)の集団発生がワシントン州衛生局に届けられたことによる。

 ワシントン州:1993年1月〜2月に,血便を伴う下痢症またはHUSの患者602名が報告された。大腸菌O157:H7が検出された477名のうち,52名(11%)は接触感染であった。残りの425名のうち372名(88%)は発症前9日の間にAチェーンレストランで喫食していた。摂食を記憶していた338名のうち,312名(92%)がハンバーガーを摂食していた。発症のピークは1月17日〜1月20日であった。477名の患者のうち144名(30%)が入院し,30名はHUSを併発,3名が死亡した。患者の平均年齢は7.5歳であった(年齢域0〜74歳)。

 アイダホ州:1992年12月11日〜1993年2月16日に大腸菌O157:H7陽性患者14名が報告された。4名が入院し,1人はHUSを併発した。発症前1週間に13名(93%)がAチェーンレストランで摂食していた。

 カリフォルニア州:1992年12月暮,サンディエゴ地方衛生局は大腸菌O157:H7に感染し,その後死亡した小児の報告を受けた。調査の結果,1992年11月中旬〜翌年1月下旬にかけて,34名の患者が発生したことが判明,6名の便材料から大腸菌O157:H7が分離された。14人が入院し,7名がHUSを併発,1名が死亡した。平均年齢は10歳であった(年齢域1〜58歳)。25人の患者はサンディエゴのAチェーンレストランおよびBレストランで摂食していたが,喫食調査の結果,Aチェーンレストランのハンバーガーが原因とされ,Bレストランとの関係は否定された。

 ネバダ州:58人の患者が報告された。9人は入院し,3人はHUSを併発した。平均年齢は30.5歳(年齢域は0〜83歳)。21人の患者を調査した結果,発症前にAチェーンレストランでハンバーガーを摂食していたことが判明した。

 その他の調査結果:この流行の原因と考えられたワシントン州のAチェーンレストランで1992年11月19日および20日に製造された11ロットのハンバーガー・パテから大腸菌O157:H7が分離された。同一ロットのパテは流行が発生した4つの州のレストランに分配されていたが,その後20%が回収された。CDCでは原因肉のさかのぼり調査を行い,米国5カ所の屠殺施設とカナダの1カ所が推定原因牛肉の汚染源とされた。

(CDC,MMWR,42,No.14,258,1993)






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