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Vol.14 (1993/7[161])

<外国情報>
AIDS診断基準改訂の影響,1993年第1四半期−米国


 1993年1月から成人におけるAIDS診断基準が改訂された(CD4+Tリンパ球数が200以下/ml,あるいはCD4+Tリンパ球数の全リンパ球に対する割合が14%以下,および肺結核,再発生肺炎,侵襲性子宮頸癌を有するものが追加された)。この改訂が疫学上どのような影響を与えているか,1993年1月1日から3月31日までの第1四半期について調べた。

 この間35,779のAIDS症例が報告された。これは,1992年同期(11,770例)に比べ204%の増加である。このうち21,582(60%)が1993年の改訂基準に基づくもので,14,197例(40%)がこれ以前の診断基準に基づくものであった(1992年より21%の増加)。この1993年改訂基準に基づいた症例のうち,19,284例(89%)は重篤な免疫抑制状態のみを示す症例で,2021例(9%)が肺結核を,245例(1%)が再発生肺炎,41例が侵襲性子宮頸癌を有する症例である。これまでAIDSと診断されずにいた症例が改訂により一度に報告されたため,このような増加がみられたが,今後この傾向は続かないものと思われる。

(CDC,MMWR,42,No.16,308,1993)






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