|
1992年は水痘の発生が多かった。成人における増加を反映して,妊婦における水痘が1992年は95例と,1990年の61例および1991年の65例に比べ増加した。しかし,水痘による妊婦の死亡率の上昇はみられていない。妊婦では水痘による肺炎を起こす率が増加し,胎児に感染すると先天性水痘症候群となりうるが,その危険性は低い。重篤な母体感染を防ぐため,水痘患者に確実に接触した妊婦で抗水痘抗体を欠く場合には免疫グロブリンを投与する。水痘に暴露後10日目までに成人へ1,000mgの免疫グロブリンを投与すると,感染は防げないが症状を軽減することができる。
(CDSC,CDR,3,No.18,81,1993)
|