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Vol.14 (1993/7[161])

<外国情報>
ライム病,1991〜1992−米国


 米国におけるライム病(LD)調査は,1982年からCDCにより始まり,1982〜1991年間で40,195例が報告されている。LDは米国におけるベクター媒介性疾病の90%以上を占めている。1991年には47州から9,465例,1992年には45州から9,677例が報告されており,これは1982年の報告数(11州から497例)と比較して19倍の増加である。その大多数は北東部,中部大西洋岸,中北部および太平洋岸である。LD病原体であるBorrelia burgdorferiは19州で確認されており,これらの州の報告数は1991〜92年の全症例の94%を占めている。1992年における人口10万人に対する罹患率は3.9で,北東部ではコネチカット(53.6),中北部ではウィスコンシン(10.7),太平洋岸ではカリフォルニア(0.8)がそれぞれの地域で最も高い罹患率を示した。年齢の明らかな7,507例のうち,症例の多い年齢群は0〜9歳(14.5%),30〜39歳(16.9%),40〜49歳(16.9%)で,49.3%が男性である。米国におけるLDの分布は,ベクターであるlxodes damminiの分布と一致しており,その宿主である野生の鹿や齧歯類の分布に大きく左右される。LD症例が1982年に比べ19倍も増加したことについては,患者や医師のこの疾病に対する認識の向上,調査の増加,症例の実際の増加のいずれかによるものと考えられる。

(CDC,MMWR,42,No.18,345,1993)






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