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1993年5月以降,カナダおよび米国の乳児の間で発生したSalmonella Tennessee感染の3事例は,汚染した粉ミルクの摂取にかかわっていた。本報告は粉ミルクからの本菌の分離の速報で,本菌の性状が乳糖発酵陽性のため,検査室でサルモネラと同定されないかもしれないので注意を喚起している。
5月にカナダで“Soyalac Powder”を摂取した2名の乳児の便からS.Tennesseeが分離された。FDAの調査の結果,ミネソタの粉乳製造工場の乾燥機および粉ミルクの缶からS.Tennesseeを分離した。1993年6月にはイリノイで“Soyalac Powder”を摂取した乳児の1人がS.Tennesseeに感染した。1992年11月4日から1993年6月29日までにCDCに報告されたS.Tennesseeによる感染事例は48である。この数は1981年から1991年間の年平均とあまり違わない。
1993年6月28日,FDAは1992年以降に生産されたすべての“Soyalac Powder”粉ミルクの回収を指示した。
(CDC,MMWR,42,No.26,516,1993)
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