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1992年10月にインドのマドラスに端を発したVibrio cholerae O139によるコレラ様疾患は,1992年12月にはバングラデシュに広がり,1993年3月末までに患者数10万以上,死者1,473が報告された。入院患者数も例年を上回っている。従来のコレラは60%が15歳以下であったが,Vibrio cholerae O139の患者はほとんどが大人である。最近,タイの重症下痢患者からも本菌が分離された。
英国のPHLS中央公衆衛生研究所では1993年3月以降,5例のVibrio cholerae O139を検出した。3例はインドから,1例はバングラデシュからの帰国者から分離されたが,残る1例は海外旅行歴がなかった。5名(大人4,小児1)すべてが下痢を発症し,3名(大人2,小児1)が入院した。
(CDSC,CDR,3,No.38,173,1993)
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