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ジンバブエでは,ポリオワクチンの接種率が1992年は88%に達し,89年の1例,90年の1例を最後に患者が報告されていない。これが本当にウイルスの撲滅によるのか,それとも患者の報告もれによるのかを確認するため,厚生省はAFP(急性弛緩性麻痺)患者のサーベイランスを行った。
主要10病因の1990〜92年のカルテを調べたところ,ポリオが3例,診断名がポリオでない15歳未満のAFPが20例見つかった。ポリオ3例のうち2例は報告もれで,最終患者は1991年11月に発生していた。20例の非ポリオAFPは5歳未満が10例,5〜14歳が10例であった。15歳未満の人口10万人あたりのAFP発生率は0.15となり,WHOの許容基準1.0よりも低いが,AFPサーベイランスの精度が上がれば,これよりも高くなると予想される。
今回報告もれのポリオ患者が見つかったように,ポリオ撲滅には報告制度だけでなく,便の採取も含めたAFPの能動的な症例調査が必要である。同様な状況にある国は,AFPサーベイランスの導入を考慮するべきである。
(WHO,WER,68,No.36,264,1993)
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