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Vol.14 (1993/11[165])

<外国情報>
死体硬膜移植後に発症したクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD),1985〜92年−スペイン


 1987年にCDCとFDAは,死体硬膜(商品名LYODURA,ドイツ,B.Braun Melsungen AG製)移植後にCJDを発症した28歳米国女性を調査し,危険性を警告した。今回さらに,スペインで1983年4月〜84年1月にLYODURAを移植され,1985〜92年にかけてCJDを発症した4例を報告する。

 これらは19〜57歳の男女で,いずれも中枢神経系に障害をもち,スペインのある地方病院で脳神経外科手術を受けた。移植後16〜105カ月で,失調歩行,眩暈,言語障害等が現れ入院した。2〜3週後に特徴的な神経症状が現れ,EEGおよび生検にてCJDと判断された。1例を除き,発症後3〜25カ月で死亡した。

 これらの患者のいずれも,移植前に死体からのホルモン投与を受けたり外科手術の経験もなく,CJDの家族歴もない。この病院では1983年1月〜84年12月の間に1,052例の脳神経外科手術を施行し,LYODURAを37例に移植した(上記4例が含まれる)。他にCJDは発生していない。これらのLYODURAのロット番号は不明であるが,製造業者によると米国女性に移植したロット2105とは異なる。

(CDC,MMWR,42,No.28,560,1993)






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