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米国における食品に起因する感染症の年間発生数は650万で,うち9千人が死亡している。なかでもSalmonellaが最も多く報告され,原因判明事例の28%および,1973〜1987年に発生した食中毒患者の45%を占めた。1985〜92年には437件のS.E流行が報告され,患者数は15,162人,うち1,734人が入院し,53人が死亡した。本報告は1993年の4カ月間にカリフォルニアで発生したS.E流行3事例の概要である。
事例1・ロサンゼルス:1993年1月,レストランで別々に食事した4人がS.E胃腸炎になり,1人が入院した。4人から分離された菌株のファージ型(PT)は13a,プラスミドプロファイルは2型であった。全員卵料理を食べていた。調理器具のふき取り検体および従業員の検便ではS.Eは検出されなかった。本事例に関与する残余の卵はなく,またその後に同一業者から入荷した卵からはS.Eは検出されなかった。卵の販売業者は多数の供給者から卵を購入していたため,追跡調査は成功しなかった。
事例2・サンディエゴ:2月16日,レストランで食事した23人が腹部痙攣,下痢を起こし,2名が入院した。13人の患者中11人からS.Eが検出された。PT13a,プラスミドプロファイルは2型で,事例1のS.E株と同一であった。患者23人中18人が生の卵黄を用いたソースをかけたアントレーを食べていた。追跡調査から,事例1と同一の業者からの卵が原因であることが判明したが,それから先は不明であった。
事例3・サンタクレア:2月28日から3月4日までに,サンドイッチ店で食事した22名が下痢,発熱,腹部痙攣を起こした。全員の便からS.Eが検出され,PT13a,プラスミドプロファイルは2型で,前2事例と同一であることがわかった。未冷蔵の卵の混合液からもPT13a,プラスミドプロファイル2型のS.Eが検出された。原因卵の追跡調査から,事例1,2と同一の業者から購入したことは判明したが,それ以後の追跡は不明に終わった。
(CDC,MMWR,42,No.41,793,1993)
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