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1984年に最初の報告があって以来,ヘルスケアワーカーが職業上,HIVに感染する危険が重要な問題になってきた。衛生行政の発達した国では,HIVに暴露される危険のある機関をモニターしており,該当する症例は国のサーベイランスセンターに報告させている。このようなサーベイランスは,職業上の危険度や,問題点を定量化でき,危険作業や行程を確認でき,より安全な作業のための情報を提供できると考えられる。
1993年9月までに,世界で,ヘルスケアワーカーの職業上の暴露によると考えられる64例の血清抗体陽転例および118例のHIV感染例が報告されている(主に先進国)。大多数は,HIV感染者血液との接触,特に針による感染である。英国では,1985〜92年の間に,ヘルスケアワーカーの職業上のHIVへの暴露は176例報告されている。そのうちの134例(76%)において,HIVに暴露されてから3ヵ月後における状態が報告され,2例が抗体陽転した。2%という抗体陽転率は高いが,今回,暴露例の報告数が少ないためと考えられ,他の報告と大きく異なるわけではない。
HIVへの暴露後の措置としては,zidovodineの投与,感染拡大の防止,暴露直後,6週間後,3ヵ月後,6ヵ月後の血清の保存と抗体測定等が含まれる。
(CDSC,CDR,3,R11,R147,1993)
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